発達障害児とパニック
買い物や外出でお子さんがパニックを起こして大変だったことってありませんか?
泣き叫ぶ我が子、それをじろじろ周りのひとに見られるという気恥ずかしさ・・・
発達障害のお子さんを持つお母さんの多くは、そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、パニックの原因と対策について少し考えてみたいと思います。
パニックの原因
パニックの原因は- 見通しが立たないこと
- 不安や心配
いくつか例をご紹介します。
パニックの例と対策
<例1>
スーパーに行ってお菓子コーナーの前を通ったとします。
お母さんは、買わずに素通り。
子どもは大泣き、大暴れ。
【親の気持ち・子供の気持ち】
親 :売り場を「通っただけ」(買うつもりはない。あんまり深く考えてなかったりします (^_^;)
子ども:「あ、買ってくれるのかな」(ちょっと期待)
それなのに、買わずに素通り。
こどもは期待を裏切られてしまったわけです。
【パニック回避のためのおすすめの対策】
- 買うつもりがないなら、お菓子コーナーは通らないようにする。
- 「今日は買わないよ」と最初に子どもに話しておく。
そして買わない。
パニックを起こさなくて当然よ・・・という態度ではなく、「助かったよ」「うれしいわ」というお母さんからの意思表示が、子どもには自信につながります。
結果的には待てるようになります。
<例2> お友達のところに初めて訪問します。玄関から1歩も入れず大パニック。
お子さんのタイプにもよりますが、見知らぬ場所が苦手な子は、この先何があるのだろうかという不安で頭の中がいっぱいになります。
特に顔見知りでないお母さんの友達に初めてあったりすると、お子さんは不安でたまらないのだと思いますよ。
【パニック回避のためのおすすめの対策】
- 不安を回避するために、できるだけの情報を事前に伝える。
たとえば、友人の顔写真であったり、お菓子食べて帰るよ、とか予定なども伝えておくと落ち着く。
何時になったら帰るというのも安心する材料になる。 - お気に入りのおもちゃ、お土産のお菓子を一緒に選んで持っていくなども気持ちが落ち着くようです。
- 我が家の場合は、訪問する前に我が家に友達を招くなどの「ひと手間」かけて、訪問までのプロセスを時間をかけて作っていきました。
<例3> 友達の家で盛り上がって、「さぁ、帰ろう」という時間になったとき、「まだ遊ぶ!」といって大騒ぎ。
突然、楽しい時間が終わってしまって、どうしたらいいかわからなくなるときがあるようです。「終わり」という概念を理解しにくい幼児期は、このタイプのパニックはよくあるようです。
【パニック回避のためのおすすめの対策】
- 事前に「何時までね」といって、終わりの時間を知らせておく。
時計が読めなくても「事前に知らせる」ということが大切。 - 携帯のアラーム機能を使って、終わりの時間を知らせるのも効果的。
- ぐずらずに帰ることができたら、「えらかったねぇ」のひと言も忘れずに・・・
他にも
◆感覚的に受け入れられないこと(水が苦手、足が汚れるのが苦手)
◆しかられるとき、大声に反応することも多いです。
パニックの種類
パニックは、お子さんの特徴によっていろいろあるようですが、一般的には「 泣き叫んで暴れる」というパニックが多いのではないでしょうか?
他にも「固まって動けなくなる」「めそめそする」など、お子さんの性格によっても激しくパニックが現れる場合と、はっきりとしたパニックが現われない場合とがあるようです。
激しく自己主張することができる子は、周りからもわかりやすく、対処する側も大変だとは思いますが、そのうちに苦手な場面や状況がなんとなくわかってきます。 パニックは、起こさないようにすることが一番大切なので、パニックになる場面を作らないようにします。
わが子の場合は、暴れることは数回で、どちらかというと「いじいじ、グズグズ」のタイプでした。それがパニックだというのは気づきにくかったです。でも、体調が悪くなったり寝込んだりすることを繰り返すうちに苦手なことがあるということに気が付き、早めにスケジュールを伝える、などの対策をとることにしました。
パニックがおこってしまったら・・・
パニックが起こってしまったら、こちらが何を言おうと耳には入りません。 大声で怒鳴ろうもんなら、ますます泣き叫ぶでしょう。
対処方法としては、別室に連れて行ったり、部屋の隅に連れて行ったりして落ち着くのを待つのが基本です。
過剰な刺激を与えないように見守りつつ、何がいけなかったのか、振り返ってみましょう。
思い当たることがあれば、それをしないようにするにはどうしたらいいか、考えてみましょう。
子どもには「成長」「可能性」という予測できないものを持っています。
成長するにしたがって、周りのことがわかるようになるとパニックは不思議と減ってきます。
幼児期に大切なのは、この子は何に困っているのか、子どもの声に耳を傾けることだと思います。
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